食パンにそっくり「食パン電車」

2017年12月26日

食パン型付き! 日本一簡単に家で焼ける食パンレシピBOOK 【食パン型付き】 (バラエティ)

今回は「食パン電車」を取り上げます。鉄道好きでない方ですと、「食パン電車」と聞いてもピンと来ないでしょう。「食パン電車」は北陸で活躍した419系、東北と九州で活躍した715系の前面改造車を指します。「食パン」と名のつく通り、本当に全面は食パンそのもの。かなり、インパクトある姿となっています。おそらく、一度見た方は、忘れられない顔になるでしょう。

実は419系、715系はある車両を改造した形式です。種車は、何と世界初の寝台電車583系なのです。583系は1968年に登場しました。デビューは寝台特急「月光号」であったことから、「月光型」とも呼ばれています。また、583系は昼間には特急として使うために、レイアウトを変更することも可能だったのです。まさしく、何でもござれ、という感じです。順調に量数を増やし、全国で特急車両として大活躍しました。

ところが、昭和50年代に入ると、寝台特急そのものが廃止されるようになりました。また、昼間仕様はボックスシートだったので、リクライニングの車両と比較すると見劣りしました。また、ローカル線に目をやると、老朽化した客車がゴロゴロ走っていました。しかし、当時の国鉄は大赤字だったので、ローカル線に新車を投入する余裕はありませんでした。そこで、余った583系を近郊型車両に改造して、老朽化した客車を置き換えることになったのです。まさしく、苦肉の策でした。しかし、投入する線はローカル線なので、編成を短くしなければなりません。そこで、新たな運転台を作ることになり、「食パン」が開発されたのです。車内は寝台設備を取り除き、ロングシートも導入されました。それでも、寝台車として活躍した面影は残っていました。異様に高い屋根、独特の折戸は寝台車として走っていた何よりの証拠です。

私は「食パン電車」を幼稚園の時、鉄道の本で知りました。ただ、この車両、片方は「食パン」でしたが、もう片方は特急型そのままの全面でした。なので、「なぜ、特急の形をしているのに普通なのかなあ」と不思議に思ったものです。実際に「食パン電車」に乗ったのは中学生の時。前面はインパクトがありました。まるで鉄道模型のような改造です。車内に入ると、どうしても天井の高さが気になります。座席に座ると、ふつうのボックスシートよりも奥行きが深いことに気づきました。そして、普通電車といっても、100km/h越えのスピードで疾走します。「普通」というよりも「急行」に乗ったような感覚でした。