山陽5000系

2017年12月26日

山陽電車 駅と沿線100年の旅

今回は神戸と姫路を結ぶ山陽電車に焦点を当てたいと思います。今回の主役は山陽電車のイメージを大きく変えた5000系。1986年登場のクロスシート車です。この車両の概要を語った後に、少しだけ思い出話をすることにしましょう。

5000系の登場は先程も書いたとおり1986年。その翌年には国鉄が民営化されJRに生まれ変わりました。実は、5000系は国鉄民営化と密接な関係にあるのです。当時、山陽電車には3000系列と旧型車両が走っていました。3000系列は神戸高速鉄道の乗り入れ車として、山陽の近代化に大きく貢献。ただ、3扉ロングシート車両だったので、サービス面で見劣りしたのです。そして、国鉄民営化が発表されると山陽は危機感を持ちました。民営化によって、高品質な車両が生まれる可能性があったからです。そこで、先手を打つ意味で1986年にクロスシート車の5000系を登場させたのです。5000系の登場により、非冷房の旧型車は引退。この時に、山陽電車は冷房率100%を達成したのです。

5000系はその後も順調に製造が続けられ、1995年までに60両が製造されました。長期間に渡って製造されたため、製造時期によって仕様が異なります。現在では直通特急を中心に担当。大阪から姫路まで幅広く活躍しています。

当時、山陽の5000系は阪急神戸線の六甲駅まで乗り入れていました。ですから、5000系に乗る機会はあったのです。阪急神戸線の車両はほとんどがロングシート。5000系のクロスシートから眺める沿線風景は新鮮に映ったものです。

ただ5000系は少々「中途半端」な車両でもありました。例えば、初期車は転換できない集団見合いのクロスシート車。ヨーロッパのように、逆向きシートが存在したのです。一回、逆向きシートに乗ってみましたが、気分が悪くなって二度と座りませんでした。また、座席と窓が一致していないことも大きなマイナス点。窓が大きいのに、実にもったいない仕様だったのです。また、ドア近くの座席には風よけの壁がありませんでした。ドア近くの座席に座ると、どうしても風が冷たく感じられます。このあたりは、JR・大手私鉄と中小私鉄との差を感じてしまいました。それでも、時速110km/hで走るクロスシート車は魅力十分。中小私鉄ではよく頑張っている車両と言えるでしょう。

登場してから30年が経ちますが、現在でも元気よく活躍しています。おそらく、ものすごく使いやすい車両なのでしょう。もうすぐ、6000系が登場しますが、引退はまだ先になりそうです。頑張って欲しいものです。