ややこしい常磐線

2017年12月26日

プラレール S-50 E531系常磐線

今回は日本を代表する路線、常磐線を取り上げたいと思います。常磐線は上野から太平洋側、千葉県、茨城県、福島県を通り宮城県に達します。残念ながら、原子力発電所の事故により、現在も一部区間は不通となっています。今回は上野側の常磐線を取り上げたいと思います。

常磐線は上野から取手までの区間が「常磐線快速電車」となり、それに並行する形で綾瀬から取手までは「常磐線普通電車」が走っています。綾瀬からは東京メトロ千代田線、さらには小田急線まで乗り入れています。何がややこしいかというと、「常磐線普通電車」しか止まらない駅ではそのまま上野に行くことができないのです。

勘のいい方はこれを書いても、こう反応するでしょう。「それだったら、快速電車が止まる駅で乗り換えれば、上野に着けるのでは」。そうです、例えば、新松戸駅は「常磐線の普通電車」しか止まらない駅です。しかし、途中の松戸には快速電車が止まりますから、松戸で快速電車に乗り換えればいいのです。

ところが、東京メトロとJRとの境目となる綾瀬駅には「常磐線各駅停車」しか止まりません。ということは、松戸と綾瀬にある「常磐線各駅停車」しか止まらない駅、金町駅と亀有駅から上野に行くにはどうすればいいのでしょうか。

答えは、そのまま東京メトロに乗り、北千住駅で「常磐線快速電車」に乗り換える形となります。当然、東京メトロ北千住駅は地下駅ですので、地上駅であるJR北千住駅に乗り換えるには手間がかかります。しかし、それしか方法がないのです。常磐線と東京メトロ(当時は営団地下鉄)千代田線が乗り入れを開始した際は、相当の混乱が起きたようです。

しかも、上野からの「常磐線快速電車」はいくつかの駅が通過するにも関わらず、種別は「普通」となっていました。これはなぜでしょうか。実は、「常磐線各駅停車」と「常磐線快速電車」とは併走していますが、明確に線を区分しています。そのため、綾瀬駅のホームは「常磐線各駅停車」にはありますが、「常磐線快速電車」にはホームはありません。そのため、「普通」と表示しても矛盾はしていないのです。

そうは言っても遠方から来た客はなかなかこのシステムを理解するのに難儀します。私もそのうちの一人でした。そして、JR東日本は「常磐線快速電車」の「普通」表示をやめ、全て「快速」としました。今でもややこしいのですが、これで少しはわかりやすくなったと思います。それにしても、よくこれだけ器用な乗り入れ方法を編み出したなと感心してしまいます。