悲運の車両 南海2000系

2017年11月29日

Nゲージ A8054 南海2000系 6次車 4両セット

南海電車2000系は関西私鉄で走っている現役車両の中で一番悲運な車両だと思います。なぜ、悲運なのでしょうか。そのあたりも含めて南海電車2000系の略歴を見ていきましょう。

2000系は1990年に旧来の「ズームカー」を置き換える車両として製造されました。「ズームカー」というのは、なんばから高野山まで走れる電車です。途中の橋本から高野山までは急勾配が続くため、急勾配に対応した車両でなければいけません。急勾配にも対応でき、平坦線の高速輸送にも使えるマルチな車両が「スームカー」なのです。「ズームカー」は主になんばから高野山までの急行に利用されてきました。

2000系はVVVFインバーターを搭載し、従来の南海電車のイメージを大幅に変える斬新な車両でした。当初は緑色の帯を締め、外観だけ見るとJR東日本205系の横浜線色と瓜二つでした。登場してすぐに、現在のカラーに変更されています。

1990年から増備が進み、結果的に64両まで増えました。しばらくは高野線の急行として使用されてきましたが、2005年のダイヤ改正で大きな転機が訪れます。

2005年のダイヤ改正によって、なんばから高野山までの急行が大幅に削減されたのです。しかも、橋本までの急行は6000系が、橋本から高野山までは2300系が担うことになり、2000系は完全に行き場を失ったのです。そのため、長らく車庫で「休車」扱いとなってしまいました。まるで、現代のリストラみたいですね。

しかし、VVVFインバーター搭載の平成生まれの1000系を「休車」扱いにするには、あまりにもったいない!そこで、新たな仕事を与えられることになりました。それが南海本線の普通電車だったのです。

南海本線の普通電車ですと4両編成の2扉でも十分に対応することができます。窓には大きく「2扉車」というステッカーが貼られています。1000系にとっては「2扉車」というには屈辱的に聞こえるのではないでしょうか。実際に走っている姿を見ると、肩身が狭い思いで走っていることがうかがえます。少しかわいそうに思えてきますが、仕方がないのでしょう。

それにしても不思議なのが、汐見橋線などで活躍している旧式ズームカーの存在です。それだけ1000系が余っているのであれば、支線に回して旧式ズームカーを取り替えればいいと思うのですが。

いずれにせよ、もう一度くらい、南海本線の普通電車で走っている1000系が特急や急行でイキイキと活躍している姿をみたいですね。イベントで関西空港への乗り入れは行われないのでしょうか。