ニュース最近の北海道から
2016年10月25日の報道によると、JR北海道が札沼線の一部(北海道医療大学~新十津川)を廃止する方向で地元関係自治体と協議することが分かった。現在、北海道医療大学~新十津川間は往復わずか1本となっており、いつ廃止されてもおかしくない状態だった。往復1本になったところで、新十津川町は逆に町おこしに利用しようと様々なアイディアが出されたようだが、努力も虚しく廃線の方向に突き進むことになった。しかし、よく考えると新十津川~石狩沼田間が廃止になって以降、よく末端区間は生き延びたなと思ってしまう。なお、札幌~北海道医療大学間は宅地化が進んでおり、本数も一気に倍増する。残りの区間が廃止されることは、まずなさそうだ。
一方、廃線になるかどうか、微妙な線路も存在する。それが日高線の一部(鵡川~様似)の区間だ。2016年10月現在、この区間は洪水の影響により不通となっている。しかし、復旧工事には莫大な資金が必要となる。もともと輸送密度が低い上、廃止の噂が絶えなかった。現在のところ、JR北海道は日高線の廃止に言及していないが、復旧工事に対する考え方次第では廃止の方向に突き進むかもしれない。
一方、北海道の北にあるロシアから驚きのニュースが舞い込んできた。何と、シベリア鉄動をサハリン経由で北海道に乗り入れる計画が存在することを表明したのだ。何とも広大な領土を持つロシアらしい考え方と言えるだろう。しかし、シベリア鉄道を乗り入れるには多くの問題を解決しなければならない。
まずは、シベリア鉄道の乗り入れ先である宗谷本線の扱いだ。宗谷本線も名寄~稚内間は輸送密度が低く廃線が噂されている。このような環境下の中で、宗谷本線の近代化を実行することはなかなか難しいだろう。また、ロシアは広軌(1,520mm)、日本は狭軌(1,067mm)のため、車輪の幅を変えることができるフリーゲージトレインの導入が不可欠となる。そもそも、北海道とサハリンをどのように結ぶのだろうか。海底トンネルが確実な方法だが、費用、時間共にかかりすぎる。一方、橋だと工期は短くなるが、厳しい冬の環境に耐えられるのか極めて疑問だ。このように考えると、シベリア鉄道の北海道乗り入れは極めて非現実的なアイディアと言わざるを得ない。鉄道を建設するなら、日本海側とウラジオストク港との港湾輸送の近代化に力を入れた方が賢明だろう。
このように、北海道の鉄路を巡って様々な情報が行き交っている。どのようになるのだろうか。