鉄道はなぜ雪で徐行するの?直前に列車がいるわけじゃないのに

2017年11月29日

TRUSCO 規制標識 徐行 アルミ 三角800mm T89422

鉄道は雪が降ると徐行することがあります。制限速度を落として運転する場合があるからです。自動車であれば前が見えなくなると、追突の危険が高まるために、徐行する必要があることはわかります。普段なら制限速度が100キロ程度の高速道路でも40キロ程度に制限しないと渋滞車両に追突しかねませんよね。ところが、列車の場合は信号に従って線路を走る以上、追突の危険性はまず考えなくてよいでしょう。ではなぜ鉄道も大雪になると徐行運転をすることがあるのでしょうか。

1つ目の理由は、信号機等を確認しづらくなるためです。雪で視界が悪くなると、信号がどうなっているのか確認しづらくなりますよね。すでに示した通り、鉄道では信号に従いさえすれば追突の危険はまずありません。しかし、逆に考えれば信号を見落とすと重大な事故が起こる可能性があります。ATS(列車自動停止装置)等の安全策もとられてはいますが、やはり信号を丁寧に確認することは大切です。

2つ目の理由は、列車の脱線防止です。大雪が降っているときには、強風が吹いていることが考えられます。風が強いと列車の側面に強い風が当たり、脱線の危険性が高まります。列車が脱線すれば大きな事故につながりかねないうえ、長時間にわたって運転見合わせとなるリスクがあります。したがって、強風に警戒して徐行運転が行われることがあるのです。

もっとも、強風については風が吹きやすい路線とそうでない路線がはっきりしています。関西エリアで言えば、北陸新幹線の並行在来線とされるリスクが指摘されているJR湖西線が、強風による影響を受けやすい路線ですね。湖西線は関西エリアと北陸地方を結ぶ特急列車が通過します。強風時にはルートを琵琶湖の東回りに変更することがあるのですが、所要時間が大幅に伸びてしまいますね。北陸新幹線によって関西エリアと北陸エリアの移動が便利になれば、大雪時の強風に妨げられずに行き来しやすくなるのではないでしょうか。