リニア中央新幹線の駅は奈良?京都?

2017年11月28日

[日本の鉄道愛好会]の[図解]地図と歴史で読み解く! 鉄道のひみつ 幕末の鉄道計画からリニア中央新幹線まで

リニア中央新幹線の延伸に際し、関西エリアの新駅は「奈良市付近」に設置する方針が示されています。「奈良市」と明言されておらず、「奈良市付近」と表現されているため、周辺自治体では誘致合戦が繰り広げられています。

奈良市のほか、京都府南部エリアや生駒市、大和郡山市などが新駅の立地として考えられます。果たして、リニアの新駅は奈良になるのか、それとも京都府内になるのでしょうか。

まず、京都案についてですが、北陸新幹線のルートが南回りになりそうなため、難しいように思います。北陸新幹線とリニア新幹線を接続させる、という考え方ができなくはないですが、走行方式が違いますし、あまりメリットがなさそうです。むしろ、同じ地域に新幹線の駅が2種類あっても経済効果は限られます。離れた場所に設置したほうが経済効果の観点からも望ましいでしょう。

次に、奈良市ですが、遺跡等が新駅開発の支障にならないかが懸念されます。奈良市に駅を設置する場合、JR西日本平城山駅付近が候補に挙がっています。このエリアにはJR西日本の電車区があり、用地の確保はできそうです。しかし、奈良市付近の駅は地下駅となる見通しです。周囲に古墳があることから、果たして地下駅を設置できるのか不安が残ります。

大阪のベッドタウンとして栄える生駒市については、大阪に近すぎるように思います。南北に長い生駒市ですが、中心となる近鉄生駒駅からだと、大阪市まで20分程度しかかかりません。リニアを通したとしても、新大阪と近すぎることが懸念されます。ただ、生駒市北部には工業団地があるほか、学研都市エリアとの結びつきも強いです。北部エリアに新駅ができる可能性はありそうです。

最後に大和郡山市ですが、こちらは用地確保が難しそうです。ただ、直線ルートに近いとのアピールもなされています。他の候補都市が課題をクリアできなければ、大和郡山市で決着する可能性も否定できませんね。

いずれにせよ、リニア新駅が京都府内に設置される可能性は低いと言えます。奈良に初めての新幹線駅が誕生するのではないでしょうか。