消費増税と鉄道運賃について考える―端数はどうする?

2017年11月29日

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2019年10月には、2度延期された消費増税が予定されています。消費税が上がるとなれば、鉄道などの運賃も改定しなくてはなりません。8%から10%に上がるのでわずか2%の差ですが、2%をしっかり確保しておかないと、利益が大きく圧迫されかねないからです。

さて、2%分をそのまま値上げしようとすると、料金に端数が出てしまいます。では、鉄道会社ではどのように運賃を値上げして、消費増税分をきっちり吸収しているのでしょうか。

まず、JR東日本では、ICカード向け運賃を設定しています。鉄道運賃は通常10円単位ですが、ICカード向けには少し安めの1円単位の運賃を設定しています。消費税が8%に増税された際の取り組みですね。ICカードの利用を促進して改札口の混雑を避けるとともに、きっぷ発行にかかるコストを削減しています。きっぷの発行枚数が減れば券売機を減らせますから、設備費を抑えられる、というわけです。

1円単位の運賃を設定しても、小数点以下の費用は調整しきれません。また、関西など他地域では従来通り、10円単位の運賃設定となっています。

消費増税分をきちんと吸収するためには、いくつかの方法が考えられます。まず、増税分より少し多めに値上げする運賃区と、値上げ幅を抑える運賃区を設定して相殺する方法です。ただし、この方法では利用者の間に不公平感が広がる懸念はあります。高々10円程度の差なので気にならない、という人もいるかもしれませんが、定期券代が数百円~数千円上がるとなれば気になる人は増えると思います。

通常運賃だけでなく、定期券の割引率を変更して調整する方法もあります。定期利用促進もかねて、きっぷの運賃を引き下げつつ、定期券の割引率を上げる方法が考えられますね。

消費増税は、多くの会社に価格変更に手間をかけさせることになるデメリットがあります。しかし、鉄道会社としては消費増税分の値上げ方法を考える過程で、運賃設定をどうするか再考する機会になるのではないでしょうか、特に、関西エリアでもICカードの普及が進んできていることから、ICカード向け運賃の設定にはぜひ取り組んでいただきたいと思います。乗客の利便性向上につながりますから、実現を期待したいところです。