JR北海道の悪循環―赤字体質で新規投資ができずに

2017年11月28日

週刊ダイヤモンド 2017年 3/25 号 [雑誌] (国鉄 vs JR) | |本 | 通販 | Amazon

JR北海道では、赤字体質が続いています。赤字路線が多いことから、大幅な路線廃止を提案していますが、沿線自治体からの反発は強いです。

もともと北海道は広大な土地に人口が散在していますから、鉄道網で交通ネットワークを築くことは困難だと思います。観光需要を取り込むと言っても、道路整備が進めば進むほど、バスで観光地のすぐそばまでアクセスしたほうが便利になってしまいます。北海道の鉄道はほぼJRだけ、という現実からも、北海道が鉄道ビジネスに適していない土地であることがわかりますね。

そんなJR北海道ですが、赤字体質によって新規投資がなかなかできなくなっています。特急用の新型車両も開発途中でスクラップになってしまいました。国鉄分割民営化時に与えられた基金も、低金利時代が続く中で運用益が減り、経営状況は深刻です。すでに上場を果たしている本州3社や九州と比べると、JR北海道の経営難はより鮮明です。非上場のJR旅客会社にはJR四国もあります。こちらも経営は厳しいですが、北海道ほど土地が広大ではないことや、松山や高松周辺の通勤・通学需要を取り込むなどして北海道よりは良好な経営状態です。冬場に雪がほとんど降らない点も、北海道と比べた場合に四国の経営が落ち着いている理由の1つでしょう。

JR北海道は残念ながら、今後復活することは難しいと思います。北海道新幹線が札幌まで延伸されたところで、所要時間の関係から航空機の需要を大幅に奪えるとは思えません。また、新規事業をすると言っても投資余力がほとんどありませんから、じり貧になっていくことは不可避でしょう。将来的にはJR北海道が解体される、などと言うことも考えられますね。

赤字体質を避けられるとしたら、観光需要の取り込みしかありません。何とかポスター広告など低コストな宣伝手段で観光客を呼び込み、特急列車などでの旅を楽しませられるようにしてもらいたいものです。新千歳空港へのアクセス強化でビジネス需要も極力取り込むなど、地道な作戦を重ねていき、延命できれば、と考えています。