神戸製鋼の偽装問題で新幹線は大丈夫?
神戸製鋼による強度偽装が問題となっています。神戸製鋼の製品は多数の機械に使用されており、新幹線も例外ではないようです。東海道・山陽新幹線などで活躍するN700系の台車部分にも神戸製鋼の部品が使用されており、強度が基準を満たしていないとのことです。果たして新幹線の安全性は大丈夫なのでしょうか。
大きく報じられている神戸製鋼問題ですが、新幹線については安全性に問題ないとされています。あくまでも基準値を下回っているだけで、事故に直結するような脆弱な構造ではないのでしょう。また、新幹線がこれまで安全運行を続けてきたことを考えると、神戸製鋼による不正が新幹線の安全を大きく揺るがすことはなさそうですね。
とはいえ、高速走行する新幹線には、極めて高い安全性が求められます。国内で安全走行するだけでなく、海外に新幹線等のインフラを輸出する際にも、日本の新幹線技術の高さを誇りたいところです。不正をきっかけに日本の新幹線に対する国際的な信頼が揺らぐようなことがあれば、インフラ輸出に悪影響が出る可能性があります。
また、増加を続けている訪日外国人観光客も、海外における報道のされかた次第では新幹線の利用をためらってしまうかもしれません。特に、東海道新幹線の利用客に悪影響が出れば、JR東海のドル箱からの収入が減り、リニア中央新幹線の建設にも影響が出かねません。走行する際の安全性に問題がないことを丁寧に確認することが第一ですが、その後は可能な限り素早く、基準を満たした部品への取り換えを進めてほしいところです。
今回の神戸製鋼による不正の他にも、近年はフォルクスワーゲンや三菱自動車、最近では日産自動車による不正が明るみに出ました。こうした不正が横行している以上、もう少し基準を満たしているかどうかの検査を厳しくしても良いのではないかと考えています。検査を厳しくすることで不正を発見することだけでなく、そもそも不正を働こうという意欲を低下させる狙いもあります。自動車と比べて事故リスクの低い点も鉄道の魅力ですから、安全性がさらに高まることに期待しています。