鉄道の騒音を軽減するためにはどんな方法があるのか

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 鉄道ファンにとって、列車の走行音や駅でのアナウンスなどが聞こえることは、心地よいBGMと考えられて魅力的です。一方、多くの人にとってこれらは騒音ではないでしょうか。この騒音を軽減するために、鉄道会社は様々な取り組みを行っています。

 まずは、防音壁の設置です。列車に乗っていると、時折トンネルでもないのに線路の両側または片側に壁が出現することがあるでしょう。この壁が防音の役割を果たしていることがあります。線路のすぐそばに住宅があるケースなどでは、住民が騒音に苦しむことになってしまいます。少しでも騒音を軽減するために壁を設けているというわけです。

 また、車両性能を向上させる方法もあります。性能が悪い車両で高速運転をしようとすると、モーター音が大きくなってしまいます。これは鉄道好きにとっては1つの魅力なのですが、沿線住民や乗客にとっては、新幹線のような静けさが望ましいはずです。さすがに一般路線で新幹線並みの静けさを実現することは難しいですが、新型車両の導入が進むにつれて着実にモーター音は小さくなっているように感じます。

 他には、深夜・早朝時間帯の駅アナウンスを減らす方法があります。発着メロディーやベルを鳴らないようにしたり、音量を下げたりすれば睡眠を妨げずに済むからです。乗客の利便性を確保しつつ、周辺住民にも配慮することで中長期的な鉄道への好感度を高められれば良いですね。

 より大胆な取り組みとしては、地下化が挙げられます。線路を地下に埋めてしまえば、地上では騒音に悩む必要がなくなります。これは大きなコストがかかるためすべての路線で実現するわけにはいきません。しかし、採算性の良い路線だけでも積極的に地下化を進めれば、走行本数の多い路線の沿線に住む人々は救われるのではないでしょうか。

 こうした動きは各鉄道会社が着実に進めています。列車の音を楽しむ機会が減ることは残念でもありますが、多くの人に親しまれる鉄道を維持するためには必要なことと言えます。