電車とディーゼルカーの比較からローカル線の運行について考える

TOMIX Nゲージ キハ40-2000 T 8406 鉄道模型 ディーゼルカー

都市部は電車、地方部はディーゼルカーが多い

 鉄道には電車とディーゼルカーがあります。都市部では電車、地方部ではディーゼルカーが多く見られます。到着時のアナウンスで「電車がまいります」ではなく「列車がまいります」と流れているのを耳にしたときは、ディーゼルカーがやってくるのではないかと考えましょう。

 都市部では列車の速達性が重視されます。そのため、加速・減速性能に優れている電車が活躍します。ディーゼル燃料と比べて電車の動力源となる電気の方が低コストになりやすい点でも、利用客が多く長い編成が多い都市部では電車が主力となっている理由です。

 地方部では、鉄道路線の採算性が悪くなってしまいます。鉄道は線路の敷設や車両の製造など初期投資がかさむビジネスです。ローカル路線では初期投資を抑えるため、電気系統の設備を整備せずディーゼルカーを運行させているのです。

ディーゼルカーは故障が発生しやすい

 ローカル線では鉄道を整備する際のコストを削減するためにディーゼルカーを走らせることが多いです。しかし、ディーゼルカーは老朽化が進むにつれて故障が発生しやすくなります。もちろん電車も故障することはありますが、ディーゼルカーの方が、構造が複雑なため故障が発生しやすいのです。

 ローカル線を走る車両の数は限られています。コストを削減する目的でディーゼルカーを運転している場合は、予備の車両数も限られているでしょう。そのため、故障車両が発生するとダイヤを見直すなど鉄道の利便性を損なう対応をせざるを得ないことも考えられます。また、故障した車両を修理するためのコストが経営に重くのしかかります。災害などで線路が流失した場合などに赤字ローカル線が廃線に向かうことがありますが、車両故障も赤字ローカル線の廃線につながるリスクがあります。

 このように考えると、そもそもディーゼルカーを走らせてコスト削減を図らなければならないローカル線は、バスなどに転換したほうが良いとも考えられます。特に一度も電化されていない区間については、従来から利用客がそれほど多くなかったことが伺えます。赤字を出しつつ、速達性や利便性に欠ける鉄道を運行させ続けても、住民の利便性は限られてしまいます。北海道夕張市のように、無理に鉄道の存続を求めず、バス路線の整備などに前向きに取り組んでいく姿勢も必要になってくるのかもしれませんね。

電車でもコスト削減は可能

 電車を走らせようとすると電化設備が必要になるため、ディーゼルカーのみが走る路線よりもコストがかさんでしまいます。しかし、近年は電車の中にも蓄電池を搭載する車両が出てきています。蓄電池を搭載することで電化区間において蓄電しておき、非電化区間のエネルギーを確保することができれば、ローカル路線の中でも特に利用客が少ない地域は電荷せずに済みます。

 このように、新たな技術の登場で電車を走らせつつも設備投資を削減できるようになってきています。地方の鉄道会社単独では投資が難しいかもしれませんが、中長期的な視点から沿線自治体などが資金を拠出し、蓄電池を搭載した列車の数を増やすことに期待しています。JR九州ではすでにDENCHAの愛称で蓄電池を搭載した電車が走行しています。蓄電池技術については電気自動車開発が進むことでレベルが上がると考えられますから、鉄道にも技術を活かしてほしいです。

 特に、赤字ローカル線の中でも並行する道路が少ない路線については、可能な区間については電化設備を残すなどして鉄道を存続させる意義があると言えます。バス転換をしづらい、山間部の集落を結ぶ路線などは、長距離客を見込めるために利便性を維持すれば赤字を抑制できるのではないかと考えています。観光客を取り込む際にも、近距離の利用にとどまれば採算はとりづらいです。しかし、一見するとローカル線の中でも特に存続が難しいと考えられる路線の中には、道路によるアクセスが決して便利ではない地域を走るものもあります。遠距離を利用して多くの運賃をもたらしてくれる観光客を1人でも多く取り込むべく、最低限の利便性は確保して赤字縮小につなげてほしいものです。