有馬温泉行きバス路線増便が鉄道に与える影響とは?

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有馬温泉への都市部からのアクセスは不便

知名度の高い温泉の1つに有馬温泉があります。有馬温泉は兵庫県に位置しており、鉄道でのアクセスが可能です。しかし、都市部から有馬温泉まで鉄道で移動するとなると、JR神戸線・神戸市営地下鉄・神戸電鉄を乗り継ぐ必要が出てしまいます。乗り継ぎのたびに荷物を持って移動することや、列車の運行時間帯によっては乗り継ぎがスムーズにできないことも考えると、都市部から鉄道で有馬温泉にアクセスすることは不便と言えます。

鉄道アクセスが不便となればマイカーでの移動が考えられます。ただ、旅行中にアルコールを楽しみたいと考えている旅行客の場合、運転手を確保する必要が生じます。タクシーで移動するとなるとさすがにコストがかさんでしまいますね。そこで進んでいるのが高速バス路線の整備です。

高速バス路線整備で観光客を取り込みやすくなる

鉄道でのアクセスは不便な有馬温泉だが、高速道路を利用すれば自動車にてよりスムーズなアクセスができます。バス事業者がすでに有馬温泉に向けた輸送に注目しており、2018年2月には京阪バス・阪急バスが京都駅と有馬温泉を結ぶ高速バスの運行を開始しました。高速バスによる所要時間は1時間15分とされており、鉄道を乗り継ぐ場合と比べて速達性にも優れています。

また、大きな荷物を持つ外国人観光客なども、高速バスであれば荷物のサイズをあまり気にせずに気軽に有馬温泉を訪れることができます。京都駅から日帰りでアクセスできるとなれば、滞在期間を1日伸ばすだけで京都旅行などと合わせて有馬温泉を楽しむことが可能でしょう。既存の有馬温泉アクセス需要を取り込むことはもちろん、新たな需要を生み出すことにもつながるのではないでしょうか。

神戸電鉄の打撃を懸念

高速バスを利用して有馬温泉に足を運ぶ層が増えると、競合する神戸電鉄は大きな打撃を受けます。もちろん神戸市営地下鉄やJR西日本も一定の乗客減にはなるでしょうが、沿線人口が多いために有馬温泉アクセス需要が乗客に占める割合はもともと限定的でしょう。

神戸電鉄は有馬線のほかに、粟生線、三田線、公園都市線を抱えています。粟生線は沿線人口の減少で廃線の可能性もささやかれているほか、三田線や公園都市線も沿線活性化には限界がありそうです。神戸電鉄の収益を支えているのが有馬線と言えるだけに、有馬温泉へのアクセス客が高速バスにシフトすれば経営に少なからぬ影響があるでしょう。

有馬線には、神戸エリアと鈴蘭台を移動する需要も少なくありません。ただ、定期利用客が多いことや、神戸電鉄の利用距離が短いことから、収益への貢献は限られてしまいます。神戸市営地下鉄から乗り継いで有馬温泉駅まで移動してもらうことができれば、多くの運賃収入を確保できるのです。

神戸電鉄としても、神戸空港や新神戸駅からの利用客取り込みなど、一定の対策は進めるでしょう。しかし、全国各地の観光スポットが外国人観光客でにぎわう中、京都方面からのアクセス需要を逃してしまうことは大きな痛手です。有馬温泉への高速バス路線が今後さらに充実し、神戸電鉄の経営が傾く要因とならないか懸念しています。

地方鉄道の難しさを象徴する事例か

鉄道がバスなどほかの公共交通機関と比べて優れている点は、大人数を短時間で輸送できることにあります。定時性が高いことも鉄道の魅力の1つです。

ところが、地方鉄道ではこうしたメリットが薄れてしまいがちです。最初に欠けてしまいがちなのが速達性です。地方鉄道では利用客が限られるため、列車の運転本数を絞り込むことになります。運転本数を減らすとなると各停しか停車しない駅の利便性が極端に低下することから、全列車を各停にすることになります。優等種別が廃止されることで速達性は大きく低下します。

輸送力に関しても、豊富に準備するとなるとコストがかかります。運行を維持するために運転本数や編成数を削減すると、輸送力の大きさという魅力も失われます。

定時性に関しては、地方鉄道の方がダイヤに余裕を持たせやすいため確保しやすいと言えます。しかし、他の鉄道から乗り継いでくる客にとっては、ダイヤ通りに運転していても時間帯によって所要時間が大きく異なることになります。ダイヤに対しては時間通りに運転していても、利用客の想定通りの時間で移動できなくなってしまうのです。

神戸電鉄も有馬線の乗客を奪われれば、地方鉄道が陥りがちな魅力度低下を引き起こさないか心配しているところです。