廃止近づくも今シーズンは大丈夫?宗谷本線のDE15のラッセル車
日本で最北の地を走る鉄道が宗谷本線です。道北の中心都市旭川と日本最北端の街、稚内を結ぶ路線です。
沿線の人口がそもそも少ない上に路線長が長いため輸送密度がとても低く、名寄以北はJR北海道が単独での継続運営は困難としている路線でもあります。
その宗谷本線、冬には昼に定期便で除雪車が運行するという非常にレアな路線でもあります。使われている除雪車は昔ながらのラッセル車。専用に改造されているDE15型のディーゼル機関車とも合わせ、撮り鉄な人たちのターゲットの一つでもあると思います。

このラッセル車、機材の老朽化などの事情もあり、毎年「今年こそは廃止になるのでは?」と噂される編成でもあります。
先日、今シーズンはどうなのかチェックに行ってみたところ、無事走行しているのを確認できました。
走っているのは2編成
宗谷本線で運用されているラッセル車は2編成。旭川・名寄間を担当する車両と、稚内・名寄間を走る列車の2本があります。
ドカ雪が降ったときにはさすがに遅れたりはしますが、基本毎日ダイヤ通りに走行してくれる撮影や観望には最高の除雪車と言えるかもしれません。
名寄以北を走る車両は早朝に稚内を出発。午後1時半過ぎにだいたい名寄駅に到着するスケジュールになります。
ネットで検索してみるとダイヤグラムを起こしてくださった有志の方のサイトが見つかると思います。
今シーズン、旭川・名寄間の除雪車の方は少しダイヤが変更になったようで、走行する時間が少し早めにシフトしているようです。通常の列車と交換を行なう駅が比布から塩狩に変わっているとのことです。
そちらの区間で撮影などに臨む方はご注意を。
後継車両を開発中
JR北海道ではこのラッセル車に変わる新型の除雪車の開発が進行中です。他の除雪用機材からの転用・改造で新型の除雪車を作成する、とのニュースが出ていました。
今シーズンから試験運用などが始まる可能性があり、近い将来DE15を使ったラッセル車を置き換えることになるはずです。このためそう遠くないうちに現在、宗谷本線、石北本線で運用されている編成のラッセル車は廃止されることになると思われます。
現行のラッセル車を撮影したり見ておきたい方は、早めに行動を起こしておいた方がいいと思います。
上記の通り、とりあえず今シーズンはまだ元気に走ってくれそうです。
昼間に除雪車が走れるのは..
宗谷本線のように路線長が長い上に全線基本単線の路線を真っ昼間に除雪用車両が走れるのは列車の運行本数がとても少ないから、と言うことの裏返し。
「本線」と名前のつくかつての重要路線も今では見る影もないに近い状態になってしまいました。
トラックドライバーの不足が叫ばれるようになってもう随分と経ちますが、日本では貨物輸送のモーダルシフトも全く進んでいません。
宗谷本線は需要が縮む方向の負のスパイラルにはまってしまった鉄道がどうなるのか、を、かなり端的に表す鉄路の一つかもしれません。
ですが、列車撮影の名所では各所で10台以上の車、レンタカーが集まって小さな人垣ができるぐらいの人気がありますし、そういった撮り鉄の人たちなどを狙ったツアーを企画する宿もあります。
ラッセル車自体を観光ネタにするような企画をJR北海道自体が考えても良いのかもしれません。