来年3月のダイヤ改正で北海道の特急から「スーパー」が消えます
来年、2020年の3月14日にJR各社が一斉にダイヤ改正を行ないます。JR北海道ももちろんダイヤが変更になりますが、その際にちょっとしたイベント的なことが発生します。
(比較的)最近の走行性能、室内装備が従来の「L特急」よりもアップグレードされた特急群が名乗っていた「スーパー」の名称が北海道の特急達から消滅します。
この辺りの事情をちょっぴり深掘りしてみます。
改悪ではない。
まず最初にひとつ。
特急の名称からは「スーパー」が消えますが、別に特急の速度が落とされたりインテリアが改悪されたりするわけではありません。
状況はむしろ逆と言った方がいい感じで、全部の特急が「スーパー」相当にアップグレードされてそれが普通になるから、わざわざ名前にスーパーをつけて差別化を図る必要がなくなった、というのが実際の所です。
今、JR北海道の特急列車で「スーパー」が名前につく/つかない名前がある列車は北斗、おおぞら、とかちです。これはより新しく走行性能などが高い車両と、旧式で引退が決まっている183系の車両が混じっていたことも理由の一つだと思います。
3月14日のダイヤ改正でこれらの路線からは183系特急列車がすべて退役することになるのだと思います。
代わりに導入されるのは新造された261系車両。スーパー宗谷やスーパーとかちなどで使われてきた高性能車両です。
既に始まっていた「スーパー」レスな名称
実はこの動き、既にJR北海道でも始まっていました。旭川・札幌間を結ぶ電車特急はスーパーなしのカムイに名称が変更になっています。
スーパーカムイという列車は旭川・札幌間の特急列車に789系1000番台が導入されたときに生まれた特急ですが、今はこの区間の電車特急はすべて789系電車に切り替わっているため、「スーパー」という頭文字の意味がなくなったのでしょう。
ちなみに旭川・札幌間には2系統の特急が走っています。そのうちカムイは旭川・札幌間の特急のために新造された1000番台を使用していて、ライラックは元は青函トンネルを通って青森と函館を結んでいたスーパー白鳥から転用された789系の0番台を使用しています。
0番台は6両の固定編成、1000番台は5両の固定編成でそのあたりの互換性がないため、分りやすくするためにも列車の名称から変えているのでしょう。
かむい、は急行だった
そういえば元々「カムイ」の名称は旭川・札幌間の急行電車で使われていた名前でした。急行の方はひらがなでしたけれど。
そういう意味では特急のカムイはスーパー付きのままでも悪くはなかったのかもしれません。この記事を起こす際に列車の情報を調べ直していてちょっと感じたりもしました。
ちなみに急行カムイと同時期に旭川と札幌の間をノンストップで結ぶ電車急行があって、子どもの頃それに乗った記憶があるのですが、著者はそちらも「かむい」名で運行されていたと思っていました。が、実際は別名称の急行電車で、「さちかぜ」を名乗っていたそうです。
当時としては画期的に表定速度が速い列車だったようですが、この区間に1時間36分かかっていたようです。今のカムイ、ライラックは途中、深川、滝川、砂川、美唄、岩見沢の5駅に停車しながら1時間と25分でこの区間を結びます。今の電車特急の性能の高さが見えてきますね。