2020年のダイヤ改正。JR北海道の場合

毎年恒例のJRのダイヤ改正、今年は3月14日に実施されました。もちろんJR北海道でも色々な調整が行なわれています。

今回のダイヤ改正の中身のうちJR北海道分を簡単にまとめます。

特急名からスーパーが消える

JR北海道「も」となるかもしれません。

一時期既存のL特急などとの差別化のために、走行性能や内装をアップグレードした新型特急で盛んに使われた「スーパー」の名称がJR北海道の列車から消えました。

それぞれ「宗谷」「おおぞら」「北斗」の以前の名前だけに戻りました。

これはこれらの特急列車が昔のような水準に逆戻りしたわけではなく、基本すべての特急列車がスーパー化したので名前で区別する必要がなくなった、という方向ですね。

快速エアポート毎時5本化

札幌圏から新千歳空港アクセスに非常に大きな役割を果たしている快速エアポートが、これまでの毎時4本の運行から5本の運行になりました。

空港への輸送力がザックリ考えても25%アップとなります。

多くの列車は6両編成化している上に、最近はデッキのないロングシート車の割合も増えていますから、実質の輸送力はさらにアップしていると思います。

実際の所クロスシート車でも3ドアでデッキがあるため、実際の着座可能人数はあまり多くありません。デッキレスのロングシート車でも座れる人数に大きな差はないのではないかと思います。

立って乗る人数まで考えれば1両あたりの輸送力は大きく向上しています。

また、早朝と夜間に途中停車駅を新札幌と南千歳に限定して所要時間を33分に短縮した特別快速も運転されます。朝と夜、それぞれ2往復が走ります。

ディーゼルエレクトリック車両H100型デビュー

JR東日本が開発したディーゼルエレクトリック形式の気動車GV-E400とほぼ同じ仕様を採用したH100気動車がデビューしました。

まずは函館本線の「山線」を走ります。

H100系は既存のキハ40系気動車を置き換えることを目的として開発された車両です。メンテナンスコストがかさみがちな液体変速機等々を省略できるディーゼルエレクトリック式の走行系を採用しているのが最大の特徴です。

シリーズ式のハイブリッド自動車のようにディーゼルエンジンで発電機を回し、その電力でモーターを回して走行する仕組みです。JR貨物のDF200機関車と同じ考え方です。ただし走行用バッテリーを積んでいませんのでハイブリッド車両ではありません。

既に数年間試作車を使って道内各地での走行試験が行なわれてきましたが、耐寒性能等々に問題はなかったようで予定通りの実戦投入となりました。

これからこの形式のディーゼルカーが毎年製造され続けて、いずれキハ40系をすべて置き換える予定です。

減便も

こちらは経営が常に厳しいJR北海道にはとても痛いことですが、COVID-19の流行による観光客等々の大幅な減少を受けて道内を走る特急がすべてかなりの数減便されます。

例えば旭川・札幌間の特急カムイとライラックでは合計5往復が減らされます。

おおぞらや北斗、すずらんも減便されていて、新型コロナウィルスの流行の状況をウォッチしながらいつまでこの措置が続くのかの判断が随時行なわれるのでしょう。

早期の収束に期待したいところです。