函館本線「山線」に特急ニセコ。261系はまなす編成も完成

まだまだ新型コロナウィルスの影響がJR北海道の経営に大きな影を落とし続けています。北海道は多くの産業が観光に依存していますが、JR北海道もその傾向は同じ。観光客が激減している今は非常に厳しい状況が続いています。

鉄道収入ではドル箱のはずの札幌圏でも大幅な旅客の減少が続いてます。

そんな中、少し先に向けて硬直した現状を何とかしようという動きも出始めています。そんなニュース2つを取り上げます。

261系5000番台ハマナス編成デビューへ

JR北海道がかなり久々に製造した観光列車向けの編成のディーゼルカー、261系の5000番台、はまなすの花の色をモチーフに使った「はまはす編成」5両が完成、報道陣などに公開されました。

恐らく5両固定の編成で運用されることになると思います。

うち4両は通常の客車で普通車の座席などの構成。1号車はフリースペースとなるラウンジ、多目的に利用可能な個室、物販を行えるカウンターを備えた構成になっています。

列車先頭部分やドア部分などにはまなすを意識したピンクをあしらっていて、他の261系車両とは一目で見分けられる外観になっています。

10月17日、18日には「北海道鉄道140年」を記念する団体専用の臨時列車として運行されることが決まっています。

さらに10月から11月にかけて道内各方面の特急列車として運行が行なわれる予定です。

10月24日、25日は北見方面へ「オホーツク1号」「大雪4号」として運行。10月31日、11月1日には釧路方面に向け「おおぞら3号」「おおぞら8号」で運転。11月7日、11月8日は函館方面で、「北斗6号」「北斗19号」として。さらに11月14日、15日には稚内方面への運行になって「宗谷」「サロベツ4号」になります。

著者の住む地域ですと「宗谷」「サロベツ」が地元で見られますので、撮影にトライしてみようと思います。その頃だともしかすると雪が積もって白くなりかけの風景の中を行く一枚がものに出来るかもしれません。

臨時特急ニセコ号運転

函館本線の小樽・長万部間、いわゆる「山線」を経由して特急ニセコ号が走ります。かつては急行でニセコ号が走っていたと思いますが、ある意味その復刻的な列車です。

運行される期間は9月5日~7日と10日~14日の合計8日間。183系特急車両を使っての運転です。

列車は札幌と函館の間を往復しますが、片道5時間以上をかけてかなりのんびりと走るイメージになりますね。途中いくつかの駅で長めの停車時間があり、ホームでの買い物、駅弁の購入などが楽しめそうです。

長万部駅名物の「かにめし」も買えますよ。

また、行き帰りとも新函館北斗駅で北海道新幹線との接続も考慮されたダイヤになっています。

函館本線山線は北海道新幹線が札幌延伸になった際には、恐らく第3セクター化、または場合によっては廃止の可能性もあります。それに今は函館方面の特急列車はご存じの通り千歳線・室蘭本線経由になっていて、山線を優等列車は走っていません。

蝦夷富士こと羊蹄山などを臨む沿線の景色の綺麗な路線ですから、色々と楽しめる列車の旅になるのではないでしょうか。

261系特急のハマナス編成のお話も臨時特急ニセコ号運転のお話もまだまだ少しだけ動き出した、ぐらいのお話で、JR北海道の厳しい状況を一気に打開できるようなものではないと思います。

が、それでも今の厳しい環境の中何かを始めてみよう、という雰囲気は出始めたと思います。硬直した現状に風穴を開ける第一歩になってくれるといいですね。