厳冬期の寒冷地を往く鉄道のみもの

寒い地域では冬には他の地方では見られない風景・風物が見られます。これは鉄道を巡る景観でも同じ。雪と列車の組み合わせは他にはないユニークな見物になります。

特に宗谷本線には他にはない編成が走っています。

ラッセル車の複線仕様+トロッコ列車用機関車

宗谷本線で見られる他にはないユニークな列車の一つはやはりラッセル車ですね。昼間に定期便として毎日運転してくれる非常に珍しいものだと思います。

もっと昼間の列車本数多ければ、どうしても平均速度が遅くなってしまう除雪車を日中に走らせるのは難しいことでしょう。他の列車ダイヤとどうやっても干渉してしまいますから。

ちょっと皮肉ですが宗谷本線の普通の列車の便の少なさがこれを可能にしています。

そして今シーズンは宗谷本線のラッセル車に本来複線用タイプである車両が投入されたことが大きなニュースでした。

単線用の両側に雪を跳ね飛ばすタイプよりもずっと派手な雪の跳ね上げ方になるようですので、写真的にも走行を見物をするときにもすごく見栄えがする除雪風景です。

さらに宗谷本線に投入される単線用ラッセル車の1つには、夏の観光時期に富良野線でトロッコ列車を牽引するための機関車が使われています。

かなり派手なペイントがされた機関車ですので、「見えれば」こちらもすごく面白い列車になっています。

ただし雪を飛ばしているサイドからは絶対に見えませんけどね、雪煙の向こうに霞んでしまって…。

Like a Steam Locomotive

著者が住む町では冷え込む日には最低気温が軽くマイナス20度を下回ります。

そういう気温になるための条件は寒気団云々よりも「夜、良く晴れること」。いわゆる放射冷却現象で夜の間にどんどん気温が下がります。普通は最低気温がゴリっと下がった日には日中も良く晴れます。

そういった条件の日、まだ気温が低い中走行するディーゼル特急はこんな感じになるんです。

エンジンの排気が真っ白になって、逆光の条件で見るとまるで蒸気機関車みたいな派手は排気の見た目になります。

ただ、この排気の出具合は運転している人の列車の走らせ方・加速タイミングによって結構ばらつきますし、定刻で走行していて時間にある程度余裕がある、といった場合にもエンジンの吹かすタイミングや時間がかなり変化しますね。

上の一枚はほぼ定刻での走行の時でしたが、惰行している時間が長くて排気が真っ白に見える時間はかなり短めでした。

ちなみに、だいたいマイナス15度以下の気温で逆光の条件だと排気はかなり派手に真っ白になってくれます。

通過を待つ間、かなり寒い思いをすることになるので、寒さに対する耐性がない方はしっかりと防寒対策を。耳当ては必須になると思います。

無風ならばたいてい日の光があることもあって、イメージよりは寒く感じないものなのですけれどね。

再度モラルの確認を

先日、超ローカルな地方紙ですが新聞に宗谷本線沿線での鉄道ファンらしき人のマナーが問題になっているとの記事が掲載されました。

鉄道用地への侵入で警察が捜査を行なっています。また、ラッセル車を追いかけてクルマで移動する人の一部の運転マナー問題にやはり警察が動いています。まあ、こちらは改めて運転マナーの啓発活動を行なっている、というお話でしたけれども。

改めてルールを守りモラルある行動を取る、と言うことを再確認したいですね。

ちなみにですが、美深町と名寄市の警察署が昨年統合され、1台のパトカーで美深町から名寄市まで巡視することも出来るようになりました。もしも警察側が本気で問題視するようになったら、運行時間に巡視のパトカーを走らせることも可能になっているわけで…。

少なくとも新聞社に正規のルートで情報を出す程度には警察側は問題を認識しています。今まで以上に自覚ある行動が求められているわけですね。